手拭について【東京江戸一は白かべ】

≪手拭は≫

   お祭りに欠かせないものが「手拭」です。頭に縛るのはもちろん、ご挨拶や返礼品として欠かせないもの。町内やグループ・会などの団体用や、個人用などオリジナル品を誂え持つ事が祭人のステータスとなります。

 

≪手拭の種類≫

 手拭地には、大きく分けて2種類の綿生地を使用します。違いはと申しますと、太めの綿糸で織られ表面がザラザラとした凹凸を感じる文(ぶん)生地 別名「総理」と、細い綿糸で織られサラッとした風合いの岡(おか)生地とに分かれます。染工場の話では、東は文生地「総理」が一般的に使われ、当店も総理を手拭用として良く使用します。西は岡生地が多く使われ、また踊り用にも広く使われるそうです。

文生地(総理)総理生地  岡生地 岡生地

 

≪柄の種類≫

 手拭と言えば、描かれている柄も楽しみの一つ。きものの地紋のように、隙間なく全体に細かく埋め尽くされた市松や七宝・麻の葉・籠目などの切れ目がない幾何学模様柄。トンボや千鳥・鯉などの生物柄や、ひょうたん・桜・梅などの植物柄などの細かく散らした小紋柄。そして、手拭1枚に一つの絵を描いた絵羽柄など多種多様な柄があり見ていても飽きず楽しめますね。

手拭かまわぬ

 

手拭絵羽

 

 

 

 

 

 

 

≪手拭の染め方≫

 注染本染は、1mごとに型を置き抜染用の糊を塗り生地を折り返しまた塗るという繰り返しの手作業で、1枚1枚手掛ける職人技であります。糊を引いた後は、染料を流し込み生地を一気に染め上げます。あとは、余分な染料と糊を流水で落とすこの工程全部が職人の手仕事になります。

染工場風景 染工場風景2

染工場風景3 染工場風景4

 染め方には、反応捺染・プリント他いろいろとありますがなんと言ってもお薦めは注染本染です。他の物では、都度型代がかかったり枚数が限定(数百枚以上)されたりしますが、注染では、一度型を起すと壊れるまで何度も使用できますし、少数(3疋72本~)から染めることができ都度色を変えて楽しむことができます。注染でのデメリットは、お洗濯時色が出てしまうことですがそれ以外ではメリットが多いと思います。

 

≪手拭の縛り方≫

 それでは本題であります、手拭の使い方について一般的に粋な縛り方をご紹介します。

「ねじり」・・・オーソドックスなしばり方

①手拭を半分におりまた半分にと2回折る

②折った手拭をさらに3分の1まで織り込む

③折った手拭の両端をもって一方向にねじり込む

④中心をおでこに当て後ろに回し左右の持ち手を変えひとひねりする

⑤ひねった部分を内側にもぐりこませ先を角のように仕上げて完成!※ポイント

ねじり① ②ねじり② ③ねじり③

ねじり④ ⑤ねじり⑤

 

「くわがた」・・・ちょっと粋なしばり方

①手拭を半分に折りまた半分に折る

②さらに3分の1まで畳み込む(きれいに畳むにはアイロンを)

③折った手拭の中心をおでこに当て後方に回し長さを決める

④そのまま一度はずし頭囲より少し小さめに交差を修正 ※ポイント

⑤交差を決めたところより内側に左右を畳み返す

⑥前を深く後ろを浅めに頭にかぶり交差部分を内側に潜り込ませ角のように先を立てて完成!

①~③は「ねじり」と同じ

くわがた④ ⑤くわがた⑤ くわがた⑤-1

くわがた⑥

「くわがた」女性の場合

 基本的に「くわがた」①~③までは同じ流れで行きますが、女性の場合④・⑤は輪をより小さめにたたみ前を深めに乗せる感じで左右ピン止めします。※ ポイント

くわがた女性完成 くわがた女性完成横

 

「喧嘩かぶり」・・・威勢の良さをアピール

①手拭を深くかぶり長辺の中心を額に充てる

②左右を持ち前に向かってひねる

③ひねった両端を後ろに回しきつめに交差する

④交差させた部分を内側に潜り込ませる

⑤かぶった手拭の端をねじ込んだ結び目の上にかぶせる ※ポイント

けんかかぶり① ② けんかかぶり②

けんかかぶり③ ④ けんかかぶり④

けんかかぶり⑤ 完成 けんかかぶり完成

≪洗濯方法≫

 新しい注染本染の手拭は、うわ色が残っておりお洗濯時色が出て服などに色がついてしまいます。できれば、単独で洗いすすぎもしっかりとお願いします。何度か洗っていくうちに色が出にくくなっていきますのでそれまではご注意ください。干す時には、しっかりと縦横伸ばし手のし(両手で挟むようたたく)をしていただくと、乾いた後のアイロンが不要となります。

 

≪手拭のやり取り≫

 前述にも述べましたが、祭の一番のアイテムが手拭です。神社・地区・町内会・有志グループ・会など、ご祝儀の返礼やご挨拶の名刺代わりにと祭りにはとっても欠かすことができない再重要アイテムになります。現在は、手拭の存在も珍しくなっております。当然、昔であれば粗品に旅館にと当たり前に使われておりましたが、今はタオルやハンカチに代わりましたね。

 私の場合、普段からハンカチではなく手拭を通年使用しておりまして、夏場なんかはタオルより手拭の方が使い勝手が宜しいんです。汗をよく拭き取れますし、なんと言っても首にかけても蒸れることがありませんので、暑い夏一日掛けていられる為特に最適でことさら手放せません。また、乾きも早くまたタオルほどかさばらず後ろのポケットにきれいに収まるのも利点ですね。

 

 当店では、オリジナル手拭のご注文を承っております。製作に当たっては、名前を入れロゴマーク・デザインを考えるのも大変楽しく、柄を考え出すと欲が出て少しでも他にないオリジナルを作ろうと試行錯誤します。その過程が、とても有意義な時間であり楽しいひと時であり良い思い出にもなりますね。

 手拭を一度誂えると、次回は色選びが楽しみの一つ。絹は、濃い色淡い色どんな色でもほぼ表現できますが、綿の場合色制限があります。基本的には染まりますが、薄い色はムラが出やすくボケてしまいますので中間色から濃い目がおすすめです。クレヨンにみられる基本色12色を中心に濃い目薄目と染める度に色を決め、手拭コレクションが増えていくのも楽しみですね。

 オリジナル手拭を検討中の方は、お見積り無料の当店にご相談くださいませ。